平日お昼にサッと読む どろんぱの散文

シンプルな暮らし、いい言葉、映画、プチプラ、ダイエット、その他日常で心に触れたものと人。

枕草子をアテに、清少納言とお酒を飲んでみたかった話。

古典の授業でほとんどの人が習った枕草子清少納言が書いたとされる平安時代の随筆ですが、私自身も「春はあけぼの」の段しか知りませんでした。

改めて今触れてみると、随筆というよりブログに近い面白さ清少納言と熱燗でも飲みながら一席交えたかった!と思うほど素敵な感性の一部を紹介します。

にくきもの


急ぐことあるをりに来て、長言する客人。(中略)さすがに心はづかしき人、いとにくく、むつかし。(中略)なでふことなき人の、笑がちにて、ものいたう言ひたる。

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急ぐことがある時に来て長話する客人。(中略)やっぱり目上の人の場合となると、かなり嫌だし面倒。(中略)大したこともない人が顔に笑みを浮かべて得意気にものを言っている様子。


「嫌なもの」について。ツールは違えど、今も昔も大して変わらないのかなと思いながら読みました。後半もなかなか辛辣。

同じことなれども、聞き耳異なるもの


法師の言葉。男の言葉。女の言葉。下衆の言葉にはかならず文字余りたり。

f:id:doronpa316:20171009221830j:plainhttps://ja.wikipedia.org/


法師(禁欲的な坊さん)の言葉。男の言葉と女の言葉。ゲスの言葉には必ず余計な言葉が付け加わっている。


「同じ内容でも、聞いた感じが異なるもの」
についてあけすけな意見を述べていますが、最後の一文なんてなんかもうすみませんって言いたくなる感じです。

心ゆくもの


夜、寝起きて飲む水。

徒然なるをりに、いとあまり睦ましうもあらぬ客人の来て、世の中の物語、この頃ある事のをかしきもにくきも怪しきも、これかれにかかりて、公私おぼつかなからず、聞きよきほどに語りたる、いと心ゆくここちす。

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夜に目覚めた時に飲む水。
手持ち無沙汰なときに、たいして親しくもないお客様が来て、世間話で最近の面白いことも嫌なことも不思議なことも、あれこれと網羅して、公ごとも私事も、はっきりしないことなく、聞きやすいように話したのは、とても気持ちが良いもの。


「満足するもの」
について書かれています。知性的で明るい表現がツボ。

説経の講師は


説経の講師は顔よき。講師の顔を、つとまもらへたるこそ、その説くことの尊さも覚ゆれ。

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説経の講師はイケメンに限る。講師の顔に見とれて見守っていればこそ、その仏法のありがたみも分かるというもの。


「説法の講師」
のこと。男女問わず、また学校や上司部下においても当てはまりそうな事実ですが、当時の女性がここまで素直にこういうことを語っているのが何とも。

 

まとめ

長短や緩急を巧みに使い分けつつ、好みや感想を気の向くまま言いたい放題に、そして優しくぶった斬る姿が好感度大。内容を語れるほど読み漁ったわけではありませんが、読み手を引き込むテンポといい、凄まじいエッセイだな改めてと思いました。

枕草子 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

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今日の名言。


ただ過ぎ過ぐるもの。帆かけたる舟。人の齢。春、夏、秋、冬。

あっという間に過ぎ去るもの。帆をかけた舟、人の歳、四季。

清少納言